上手く言えないあれこれ

を綴ってます。いつも間にか34歳独身。ゆるく楽しく丁寧に。

外の方に聞いてほしい日本語業界のお話。

昨日から就職に向けて具体的に動き出した。もう5年も前になるが私が通っていた専門学校で日本語教師向けの合同説明会が開かれるとのことだったので行ってきた。

 

日本語教師」と聞くと、そこに関わったことがない方は日本人なら誰でもできるのでは…と思うかもしれない。でも、実際はそんな簡単なことではないというのは分かってもらいたい。ほとんどの日本語学校の求人には応募条件として「以下3点のいずれかに当てはまる方。①日本語教育能力検定試験合格者②日本語講師養成講座420時間以上修了者③大学・大学院で日本語主専攻・副専攻修了者」と書いている。このように専門の知識と資格の必要な仕事なのである。

 

留学生や外国人労働者が増加している現在、新規日本語学校は続々と増えているし、日本語教師不足との声もよく耳にする。実際に求人募集のサイトには毎日のように新しい求人が追加されている。

 

では、なぜ日本語教師不足なのか。それは単に需要が増えたからだとは言い切れないのではないだろうか。他の業界も視野に入れて就職活動をしているとそう思ってしまうことが多々ある。

 

昨日の合同説明会の話に戻る。参加していたのは9校。各学校2、3人の担当者がいらっしゃっており、ブースで直接話を聞くことで学校の雰囲気を知ることができた。

 

その9校のうち、常勤講師(所謂正社員)の求人を出していたのは4校のみ。他は非常勤講師の募集。

 

一般的に日本語教師は、養成講座修了、資格取得後すぐの未経験の状態で国内で常勤として働き始めることは難しく、非常勤からスタートすることが多い。非常勤は大抵授業1コマ当たりいくらという契約になるのだけど、授業準備にも時間がかかる未経験の状態で、非常勤として、自立して生活していけるだけの収入を得るのはなかなか厳しいものがある。そういった理由もあり、日本語教師の資格は手にしても、実際に仕事にしない人は非常に多い。実際に私と一緒に養成講座に通っていた人を見ても、現在日本語教師を仕事としている日のはごく一部だ。

 

次に常勤募集をしていた4校を見てみる。この中で募集要項に月収または年収が明記してあったのはたったの1校だけだった。他3校は「当校規定による」と。その当社規定を教えてよ!とつっこみたくなる。経験や能力によって違いがあるのは分かるけれど、せめていくらからなのかは書いてほしいものだ。私は他の業界の求人を見るために、リクナビマイナビにも登録しているけれど、そこでは収入が明記されていない会社なんて見たことがない。

 

昨日の合説についてさらに言うと、賞与、昇給についても、何らかの記載がある、または説明があったのはたった1校のみだった。

 

この業界の中だけにいると、だんだんこれが普通になってしまう。でも今、他業界の求人も見ていると、待遇の記載の違いは一目瞭然だ。日本語業界の待遇欄の細いこと細いこと。

 

これからも日本語教師を続けたい気持ちはある。でも、この先長く続けていくことを考えれば考えるほど不安になる。

 

賞与なし。昇給僅か。有給なし。日本語教師の仕事は好きだし続けたい気持ちもあるけれど、4年の経験からその待遇の悪さと忙しさだけははっきりと分かるこの業界に、どっぷりと浸かる覚悟は今の私にはまだない。

 

この業界に限った話ではないのかもしれないけれど、「働き方改革」、「ワークライフバランス」、テレビをつければ毎日のようにこんな言葉が聞こえてくる今、人手不足を叫ぶ前にその辺りをぜひ見直してほしいものだ。

 

 

 

と言っても、最近稀にいい条件の求人も見かけるようになったし(本当に稀っだけど)、きっとこれから変わっていくのでは・・・と淡い期待を抱きつつ、こんな記事を書いている。